東部エスタブリッシュメントと称される米国東海岸の伝統社会の中で、金融業界は大きな柱の一つとなっています。石油の決済通貨である米ドルの発行国であり、戦後は安全かつ発展の両方が保証された市場として、世界中から投資資金が流入しました。
デリヴァティブ市場が発展し、金融の複雑度も増していく中、ディーリングの現場を中心にテクノストレスへの対応が必要となる場面が増えてきました。蝋燭の両端に火をつけたように、と形容される長時間の労働と、生き馬の目を抜く競争は、映画の中の世界でなく現実にあります。
それらのリサーチ部門やバックオフィス部門から、心の体操第2に相当するエキササイズを提案させていただきました。希望者にだけエキササイズを習得していただく形でスタートしました。圧力鍋とも形容される高ストレスの職場において、アルコール等に頼る人が出てもおかしくない中で、クリーンなリラックス法として少しずつ受け入れられていきました。
その後の社内の口コミにて、当初は興味をもたれなかったディーリング部門の方でも、実習者が増えていきました。
当初多かったコメントは、『座って始めようとしても、興奮している状態からの切り替えが、簡単には出来ない』、と言うものでした。それに対しては、心の体操第1に相当するエキササイズを紹介し、特にその中でも呼吸法は省略しないで、始めていただくようにしたところ、モードの切り替えたスムーズに出来るようになった、と言う反応に変わりました。
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